Du Barry:三茶一コスパの良い全能ビストロ

三茶は、「中途半端におしゃれで中途半端にダサい街」として有名だ。しかし、この肩書きはやや自虐的である。そこで私は、中途半端という言葉を2回も繰り返さない別の肩書きを考えた。

三茶は、”おしゃれも守備範囲、ダサいのも守備範囲な街”である――

2回繰り返す言葉を「中途半端」から「守備範囲」に変更することで、途端にポジティブになる。ここまでくるともう、三茶は”オールマイティーな街”と言ってもいい。

結論:三茶は全能な街である。

そんな全能な三茶には、おしゃれな実力派フレンチビストロがいくつかある。その一つが、Du Barry(デュ・バリー)だ。

Du Barryは三茶と池尻大橋の中間ぐらいに位置している。以前述べたように、池尻大橋はほぼ三茶であるため、Du Barryはもちろん三茶の店である。平日ランチでも予約が取りづらいほどの人気店である。

人気の秘訣は、料理のクオリティに対して値段が安い、すなわちコスパが良いのだ。Du Barryのランチはいくつかのコースがあるが、今回はMenu Cを選択した。内容は、オードブル、本日のスープ、メインディッシュ、自家製パン、コーヒーor紅茶。上位のコースであるが、2100円。 スープなしのMenu Bは1800円、オードブルなしでスープありのMenu Aは1500円。いずれも、コースといえど手を出しやすい価格である。

オードブルとメインディッシュは好きなものを選べる。筆者が選んだオードブルは、ビストロの定番、田舎風パテである。

パテといえば肉がメインだが、Du Barryのパテは野菜がメインと言わんばかりの鮮やかな緑が印象的である。味付けは、リヨンマスタードとビーツ。珍しいソースである。野菜はとてもフレッシュであり、パテはなんだかフルーティ。野菜と一緒に食べるとおいしい。ただものではないパテである。この時点ですでに満足感が高い。

こちらは自家製ライ麦パン。もっちりさとホロホロが両立している不思議な食感。まろやかで甘さ控えめなパンだ。

本日のスープは、にんじんのポタージュ。とにかく甘くてびっくりする。にんじんの甘味を最大限に引き出した匠のスープがここにあり。何も知らずにかぼちゃスープやコーンスープだと言われたら騙されてしまうレベルの擬態力。こしょうとクルトンがアクセントになっているのもセンスが良い。

そしてメインディッシュは本日のお魚料理、さわら。こちらも野菜とのコントラストが美しい見た目。 さわらはとても柔らかくて美味である。 茶色のソースはピーナッツソース。赤いものはカブ系のようだが、こんなに「紅!」って感じのカブを私は知らない。ほかの野菜も、普段のスーパーでは出くわさない野菜であり、固有名詞が分からない。しかし、とにかく美味である。

あとは、食後の飲み物と小菓子が出てくる。さて、あなたは覚えているだろうか。これがたったの2100円だということを!

他の2100円と比べてみてほしい。パスタ店で、ワタリガニのパスタ1800円にウーロン茶一杯を300円をつけたら2100円になる。肉の店で、ステーキ定食を上位ランクの肉に変更したら2100円になるかもしれない。

それと比べて、Du Barryの料理は非常に手間がかかっている。パテ一つとっても、野菜やソースのチョイスにこだわりがある。並大抵の努力では実現できないにんじんの擬態力も習得している。そして、ここでしか出会えそうにない野菜が添えられたメインディッシュ。いずれも、Du Barryでしか食べることのできない唯一無二でハイクオリティな料理たちだ。どう見てもお得である。

さらに、各コースにはデザートが+300円でつけられる。今回は頼まなかったが、クレームブリュレなどが異様においしいのでお腹に飽きがある人は食べたほうが良い。インスタ映えの店(すなわち、見た目だけ良くて味が普通)なら800円は取られると思うので、デザートも絶対にお得である。とにかく、オブラートに包まず言いたい放題なことに定評にある三茶民ですら、褒める以外にやることがないという無敵の店である。

ハイクオリティ、ローコスト。Du Barryはまさに、全能な街・三茶にふさわしい、全能なフレンチビストロだといえよう。

Du Barry ホームページ:http://smile-dubarry.com/top.html