L’Atelier MOTOZO:イタリアの風はバジルの香り

三軒茶屋の隣は池尻大橋であるが、池尻大橋は三軒茶屋の隣である。このことは「池尻大橋は三茶のモノ」というジャイアン理論を支持する。この理論は、池尻大橋ニアリーイコール三茶を主張する理論であるが、一つだけ大きな問題がある。それは、池尻大橋が目黒区と世田谷区の二股をしているということ…

このような無意味で難解な思考をこねくり回しながら、三茶から池尻大橋まで散歩をしていた。このようなバカげた行いをしている者には当然罰が下る。そう、糖分不足だ。

これ以上思考ができないことは、私の死を意味する。人間は考える葦であるのだから。そうして糖分を求めて駆け込んだ先が、L’Atelier MOTOZO(ラトリエモトゾー)だ。アルファベットは苦手なので、「元蔵」とか呼びたいところだが、コンセプトが台無しになる気がするので「モトゾー」とカタカナで妥協しておく。

モトゾーはイタリアンスイーツのお店らしい。店内は可愛らしいが、確かにフランス菓子屋とはどこかテイストが違う。

スイーツはどれも美味しそう。特に、山状のモンブランが人気らしい。なお「モンブラン」という言葉はフランス語であるため、ここでは禁句である。イタリアンなモトゾーでは「モンテビアンコ」と呼ばなければならない。モンテ・ビアンコ。モンテ・ビ・アンコ…オーダーを失敗しないように心の中で反復する。

しかし、私の目は捉えてしまった。モン・テ・ビ・アンコの後ろ側にある桜のキャワイイケーキを!ピンク色のつるつるの球体、そこに桜が舞っている。中はムースだろうか。 モン・テ・ビ・アン・コを差し置いて、私は桜のケーキを注文した。可愛さのあまり、名前と値段は忘れた。イートインスペースが数席あるので、そちらで食べることに。

見てほしい、この圧倒的可愛さを!!とりわけインスタ映えや大衆受けを狙っているわけでもなく、イタリア菓子の伝統や質の向上を重視している雰囲気が漂うモトゾー。そんな素朴な店から、素朴な気持ちで生み出されたのが、この芸術的な桜ケーキなのである。

フォークを刺すと、イチゴのムースの中に、ほんのりバジルの効いたイチゴのピューレが現れる。バジルとイチゴは文字面では相性が良いと思えないかもしれないが、予想以上にとっても相性が良いのである。さらにマスカルポーネチーズが風味を際立たせている。これがイタリアの風か。それとも、モトゾーマジックか。ドリンクはハーブティーもあるので、カフェインが苦手な人でもイートインに困らない。「オリーブティー」なるイタリアンなハーブティーもある。

こうして満足度の高い糖分補給を済ませた私は、”池尻大橋・三茶ジャイアン理論”の証明を進めるべく、まだつぼみが開かぬ目黒川の桜並木沿いを歩き始めた。

ラトリエモトゾーのホームページ:http://motozo.tokyo/