らーめん無双:ラーメン激戦区で不戦勝の一杯

「ラーメン激戦区」という言葉がある。これはもはや、発達した都市であることを示す勲章のようなものだ。その根拠を述べる。

まず、ラーメン激戦区の定義を「ラーメン店が7店舗以上ある街」と仮定する。7という値は筆者の個人的な感覚だが、ラーメン激戦区であるか否かをラーメン店の数で定量的に判断するというやり方にはみんなも賛同してくれるのではないだろうか。

では、どのような街がラーメン激戦区になるのだろうか。答えは簡単だ。レストランの数が増えやすい街、すなわち発達した都市である。増えるレストランのうち、確率的に一定の割合はラーメン店であることだろう。つまり、発達した都市は、ラーメン激戦区の定義を満たす確率が上昇していく性質を持っているため、気づけばラーメン激戦区になっていることが多いのだ。

池袋や渋谷、秋葉原をはじめとする都内の主要都市の多くは、ラーメン激戦区である。東京一の都市である三茶も例外ではなく、ラーメン激戦区である。しかし、わたしはラーメン店の激戦のあり方に不満がある。それは、ラーメン店の多くが「とんこつ」「魚介」「濃厚」あたりの軸で激戦していることだ。

わたしは、大した競合もいやしない中おしとやかに運営を続けている、三茶のAFURIが好きだ。あそこのゆず塩ラーメンは、さっぱり派のバイブルのようである。そして同じぐらい、いやそれ以上に愛すべきは、独走を貫いているらーめん無双の味噌ラーメンだ。

らーめん無双は、さかえ通りの入り口に位置している。店構えは、とんこつや濃厚を売りにしているラーメン店に類似しているので、筆者と同じような趣味の人は入店に抵抗があるかもしれない。しかし、人も店もみかけによらない場合がある。らーめん無双は、その代表例ともいえる。

ここは、他の家系路線や白湯路線とは違い、味噌ラーメンが売りなのである。味噌ラーメン以外も食べたが、正直味噌ラーメンのクオリティには及ばなかった。ラーメン激戦区において、味噌ラーメンはとても希少である。らーめん無双は、希少な味噌ラーメンで勝負を仕掛けているだけでなく、実際に最高においしいのである。

まずは入って食券を買う。メニューは以下に載せる。

味噌ラーメンは、白味噌と赤味噌、そして濃厚味噌の3種類がある。通常、味噌ラーメンはサブラーメンとして「一応メニューに入れてます」的立ち位置に追いやられることが多い。しかし、らーめん無双は違う。らーめん無双にとって、味噌ラーメンは慈善事業ではない。味噌ラーメンへの愛とこだわりが、この3種類のラインナップを生んでいるのである。

筆者のおすすめは白味噌である。

白味噌ラーメンは、しっかりと味噌が感じられるものの、重たくない。くどくない。つるつるした噛み応えのある麺との相性も最高である。このスープにはこの麺しかない。完成された本物の味噌ラーメンである。

具はメンマ、チャーシュー、ネギ。味玉つきを選べば味玉もつく。決して具が豊富というわけでもないのに、最後まで飽きずに食べられる。飲み干せる。 テーブルには調味料も設置されているが、使う機会がなかなか来ない。それだけ、この味噌スープは偉大なのだ。

無双の味噌ラーメンは、最後まで食べ続けるために、味の変化という小手先のトリックを必要としない。どんなに飽き性でも、味噌ラーメン好きでありさえすれば、味噌スープのおいしさだけで完走できる。この世界には、わたしと味噌ラーメンのふたりしかいないと錯覚させるほど、目の前の味噌ラーメンだけに集中できる。いまだかつて、ここまで想わせてくれる味噌ラーメンはあっただろうか。いや、ない。

三茶という名のラーメン激戦区において、らーめん無双は不戦勝である。ナンバーワンであり、オンリーワンなのだ。三茶民の味噌ラーメンライフに必要不可欠な店であることに間違いない。

たとえ世界中を敵に回しても、わたしだけはらーめん無双の味噌ラーメンの味方でありたい。

らーめん無双 ホームページ:https://maps.gmfoods.co.jp/jp/detail/4054.html