四季の味:ほおずき 高津の安らぎ

東急田園都市線。三茶民を支える私鉄である。その田園都市線に乗り中央林間に向かって各駅で7駅、16分で到達する街、それが高津である。

三茶民にとって、高津とはどんな街であろうか。いや、この問いかけ自体が間違っている。三茶民にとって高津はどのような街でもない。田園都市線の数ある駅の一つに過ぎない。あの川崎市の大都市の一つである溝の口にすら、三茶民の興味は向いていない。三茶民にとっての田園都市線とは、三軒茶屋であり、池尻大橋であり渋谷なのである。三茶民の意識が田園都市線の西側に向くことはほぼないのである。もちろん、温泉天国 宮前平など一部の例外はあるが…

ぼくらは、そんな高津の地で待ち合わせていた。

平日の夜、高津駅で落ち合ったぼくらは、赤紫色の看板に吸い込まれるように路地を進んでいた。

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四季の味 ほおずき

「ほおずき」という店の暖簾をくぐった。

居酒屋、むしろ小料理屋であろうか。そこは、地元のサラリーマンやお父さんたちに愛される高津の憩いの場であった。

メニューを渡され、まずは緑茶サワー(400円)と梅酒(450円)を注文した。

お酒とともに、お通しが運ばれてきた。イカと大根の煮物、マカロニサラダ、ホタテの貝柱と高菜は鷹の爪ですこし刺激的に炊かれていた。

「四季の味」と銘打つ店である。お通しから、料理に対する真摯な姿勢が感じられる。

三品刺し盛り(950円)。マグロ、ブリ、タコ。力強い味だ。

男しゃくのポテトフライ(380円)。ポテをソールフードとする三茶民としても、十二分に合格点を出せる。

納豆いそべ揚(480円)。納豆の香りが立ち上がる。

和食の美味い店だ。日本酒があうに違いない。日本酒一合(350円)。自由に飲んでください。そんな店主の心遣いか。好きなおちょこを選ばせてくれる。

ここから締めに向かっていく。サバの文化干焼(580円)。この日は、しまほっけ焼きが売り切れていたため、急遽注文変更されたタンパク質だ。

魚介のピザ(580円)。和の中に、爽やかに吹き去ったイタリアの風。

そして、トリを取るのは焼きおにぎり2個(500円)。醤油・味噌の焼きおにぎりで明太子入りだ。

癒やしの地

美味しい料理と穏やかな時間。ぼくらは満たされた気持ちで高津を去った。田園都市線にゆられぼくらの意識は三軒茶屋に向かっていた。

高津はやはり三茶民にとって、なにものでもない街である。それでも、確かに、そこに癒やしが存在していた。