インターコンチネンタル東京ベイ:煌びやかな異空間

「三軒茶屋とは何か?」―この問いの答えは、三軒茶屋だけを見つめている限り、見出せない。三軒茶屋を知るには、三軒茶屋以外の街を知る必要があるのだ。

このメディアにおいて「三軒茶屋以外の街」とは、三軒茶屋から徒歩60分以上の街のことを指す。ゆえに、田園都市線で行ける周辺の駅は三茶になりかねない。

そこで、どう屁理屈をこねても三茶には属しようがない路線「ゆりかもめ」に乗り、竹芝駅に来た。ここまでくれば、三茶は追いかけてこない。我々はここで、優雅にアフタヌーンティを楽しみながら、三茶以外でひとときを過ごすことを決めた。これも三茶を深く理解し、愛し続けるためである。

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アフタヌーンティーで胃腸の本気を試す

多くの場合、街の象徴するのは高いタワーである。東京全体で言えば東京タワーかスカイツリー、三茶でいえばキャロットタワー。そして、竹芝といえば、ホテルインターコンチネンタル東京ベイなのである。

インターコンチネンタル東京ベイはホテルであるが、ホテルは多くの三茶民とっては宿泊施設ではない。食事やアフタヌーンティーを行う場所だ。インターコンチネンタル東京ベイも御多分にもれず、アフタヌーンティ会場を提供している。 「ニューヨークラウンジ」という名のレストランだ。

ニューヨークラウンジの入り口からは、アメリカンな香りは漂ってこない。自由の女神のかけらもない。なぜニューヨークの名がついたのか?その真意は女神の笑顔の裏に隠されて久しい。

店内は黒やグレーを基調としたシックな雰囲気。天井が高く、照明が派手である。ソファーがゴージャスであり、一組あたりのスペースが広い。どんなに脂肪にあふれる人でも窮屈にならないだろう。三茶では味わえない優雅さを凝集した空間である。

春への移ろいを見せるこの時期のアフタヌーンティーは、「桜と苺のアフタヌーンティー」。

よくある3段のスタンド式ではなく、「WAお重スタイル」での提供である。

写真ではみにくいが、お菓子の下に敷かれている白い砂糖には、京都の石庭を想起させるようなうねりがあり、和を感じさせる。

照明が暗いので写真が悪い。でも加工をしない。それがアンチインスタ映えを目指すメディア・THE さんちゃ民の方針である。こちらはヨモギスコーン、さくらスコーン、ゆず香るもなか、である。

お隣には、抹茶のマカロンやいちご大福風のぎゅうひ、桜のゼリーなどが敷き詰められている。和風攻撃が著しいアフタヌーンティーであることが伝わるだろう。なお、この2段で二人分だが、この量でもそこそこお腹がいっぱいになる。

時間は2時間制であり、その間飲み物は選び放題である。紅茶のバリエーションが豊富で、3種類ぐらいはノンカフェインティーもある。筆者は「サクラルイボス」をミルクティ化して楽しんだ。

しかし、お腹が満ち始めても油断して飲み物をたくさん注文してはならない。ましてや、ティーにミルクを入れすぎることは禁物だ。必殺「デザートワゴン」が登場するからである。

デザートワゴンには、クッキーやチョコレート、ケーキなどがあり、好きなものを選べる。損失回避の生き物であり、「大は小を兼ねる」を座右の銘とするホモ・サピエンスの多くは「とりあえず全部」と頼むことだろう。

ただし、これは罠なのだ。一人分が分配される。読者は、この量をどう思うだろうか?WAお重スタイルと格闘した腹にとっては、少なくない量である。食べきれるか実に怪しいところだ。

ここで我々の「デザートは別腹力」が試される。真の戦いは、デザートワゴンから始まるのだ。行かれる人は、覚悟しておいたほうが良い。なお、我々の戦いの結果は―神のみぞ知る。

優雅で上質な空間に惑わされてはならない。多大なる血糖値スパイクと満腹との闘い。これこそが、インターコンチネンタル東京ベイのアフタヌーンティーの真髄なのである。つまり、三茶の飲食店を網羅する内臓を鍛えるにもってこいの訓練場なのだ。

三茶以外という名の”鏡”を通じて、三茶を覗く。三茶民の目はいつだって、異空間のホログラムに惑うことなく、三茶だけを一筋に見つめているのだ。

インターコンチネンタル東京ベイ ニューヨークラウンジのホームページ:https://www.interconti-tokyo.com/restaurant/the-lounge/