Neighborhood and Coffee代沢店:揺らぐアイデンティティ

以前も述べたように、スタバには3つのグレードがある。「普通のスタバ」「イイ!スタバ」「すごすぎるスタバ」の3つである。

「普通のスタバ」とは、言うまでもなく普通のスタバのことであり、「すごすぎるスタバ」とは、中目黒にオープンしたStarbucks Reserve Roastery Tokyoである。

そして、真ん中の「イイ!スタバ」とは、Neighborhood and Coffeeのことを指している。実は、三軒茶屋は三宿・代沢の2つのイイ!スタバが徒歩圏内。三茶のほかに、果たしてイイ!スタバに選択肢がある街があるだろうか?ないだろう。断言してもいい。ない。

つまり、三茶は都内でもっともイイ!スタバに優れた街なのである。三茶の中途半端さが良くわかる事例である。

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すごすぎるスタバに侵食される代沢店

今回訪れたのは、代沢のほうのNeighborhood and Coffeeである。三軒茶屋から茶沢通りを25分ほどまっすぐに歩き続けると辿り着く。車社会ではない三茶民なら、たやすく歩ける距離である。

筆者はかなり久々に訪れた。しかし、何やら様子がおかしい。

読者もこの違和感にお気づきだろうか。この写真で注目すべきは、「★/R」という分数である。この分数は、何なのか?そう、すごすぎるスタバことStarbucks Reserve Roastery Tokyoのマークなのである。

私が来たのは、イイ!スタバであるはず。それなのになぜ、すごすぎるスタバのマークがあるのか…

おかしいのは、マークだけではなかった。

なんと、コーヒーのラインナップまで、すごすぎるスタバから輸入されたものに変わっていた!

極めつけはこれである。はっきりと「Starbucks Reserve」と書いてあるのが確認できるだろう。 いったいどういうことなのか?Neighborhood and Coffeeのアイデンティティは完全放棄か!?

そもそも、Neighborhood and Coffeeは以前は、Inspired by Starbucksという店名だった。筆者は「インスパイアード」と呼んでいたのに、気づけば店名からInspiredという単語は消え、 Neighborhood and Coffeeに変わっていた。昔からイイ!スタバは、アイデンティティをコロコロと変える気まぐれな店舗なのである。

そして今日、Neighborhood and Coffeeという名が終焉する未来を垣間見た。まだ「Starbucks Reserve」で止まっているものの、「Starbucks Reserve Roastery」と単語が追加されていくのはもはや問題であるし、サグラダファミリアと完成を競い合う勢いで「Starbucks Reserve Roastery Daizawa」になるのは必定である。

アイデンティティは揺らいでいるが、一人一人の空間が広めに取られており、作業スペースもしっかりとある点は、昔と変わっていない。窮屈な普通のスタバや、整理券を配布するほど人が多すぎるStarbucks Reserve Roastery Tokyoには実現しえない快適さ。これが、イイ!スタバの本質なのだ。

茶沢通りの裏道に面するテラス席もある。車も通らないので静かであろう。ほどよく緑を眺めながらくつろげる空間である。

ぱっと見のメニューでは見つけにくいが、スタバのお茶シリーズことTEAVANAシリーズもちゃんとある。普通のスタバでは紙コップでの提供だが、イイ!スタバではティーポッドで提供してくれる。ワンランク上である。

名前や見た目がコロコロ変わりすぎて覚えてもらえない、イイ!スタバ。しかし、何年経っても変わらないのは、快適を追求する真摯な姿勢なのだ。

「そうだ。今日は、イイ!スタバで作業しよう」

「ねーねー、あのスタバいかない?名前なんだっけ…あの、イイ!スタバ」

Neighborhood and Coffee は、文字通り「イイ!スタバ」として、人々の記憶の中に居座っているのだ。