やよい軒 三軒茶屋店:現存する希少な定食屋

飲み屋、バーガー屋、タピオカ屋、ラーメン屋…三軒茶屋は食に恵まれた土地だ。その日の気分で食べたいと感じた料理をすぐに食べに行ける。それが三軒茶屋の魅力の1つだ。

しかし、食が豊かな三軒茶屋でも、例外的に生き残れない店がある。定食屋だ。246沿いという好立地の場所にあった「焼魚食堂 魚角」や、オリジン弁当の系列店という知名度の高い「キッチンオリジン」など、三軒茶屋に出店する定食屋はことごとく閉店を強いられている。

三軒茶屋で生き残っている定食は一か所しかない。チェーン店の「やよい軒 三軒茶屋店」だ。

やよい軒 三軒茶屋店は、飲み屋が立ち並ぶ狭い小道である「すずらん通り」の入り口(出口?)付近にある。

まずは店外の券売機で食券を買う。

店は縦長で、席数は多くも少なくもない。夜に来ても、遅めの昼に来ても、それなりに人が入っている。とても定食屋が生き残れない地とは思えない。

メニューである。肉系、揚げ物系、魚系など、基本的な定食は揃っている。イチオシはプラス130円で味噌汁を貝汁にできるオプションと、フライドポテトがある点である。

食事を待っている間は、卓上の漬物に七味をかけた小鉢を自作しているのも悪くない。

今回注文したのは「しょうが焼定食」(630円)。味噌汁は貝汁に変更した。

ごま系のドレッシングがかかったキャベツが多めに入っているので、野菜も摂取できる。しょうが焼きは味が濃く、マヨが合う。完全に白米と一緒に食べる前提である。玉ねぎ、もやし、薄切り豚肉がそれなりに多く入っている。肉は脂身多め。高さ1㎝くらいの小さい冷ややっこがついている点も良い。味が濃く、食材の味というよりは調味料の味で食べるような定食だが、しょうが焼きが食べたい欲を気軽な値段で満たせる点は評価に値する。

また、貝汁は、家で作るような素朴なあさり汁。あさりの出汁が過不足なく出ている。アサリの身のサイズも多きめで、貝殻の枠内にぷっくりとおさまっている。アサリは合計8個入っていた。身が大きいので、十分満足できる。

また、三茶民はポテト愛好家であるため、ポテトがあったらオーダーぜすには帰れない。こちらは「大盛りフライドポテト」(160円)である。細めで、若干油っこさのある、サクやわポテトである。塩気がほとんどないので、塩分が気になる人は良いかもしれない。ケチャップが合う。

なお、しょうが焼きフレーバーのポテトを味わえるのはやよい軒だけである。また、ポテトを味噌汁につけたり、しょうゆにつけたり、七味をかけたりするなどして、ポテトの未知なる可能性を探求することができるのも特徴だ。なお、「しょうゆポテト」はまあまあ相性が良く、「しょうゆマヨポテト」はバーベキューのような味で、悪くない。読者もやよい軒でポテトを頼むことがあったら、ぜひ普段食べないような味付けでポテトを食べてみてほしい。

「最高の普通を。」やよい軒のキャッチコピーを考えた人は天才的だ。やよい軒の店の価値を十二分に表現している。そう、定食屋に求めるのは「普通のごはん」なのだ。家でご飯を作るのが面倒だからといって、毎度オシャレなご飯をや仰々しいご飯を食べたいわけじゃないのだ。栄養バランスが大きく偏らない日本人らしい食事をサクっと済ませたい。できれば安めで、定期的に利用でき、家ご飯の延長となるような存在でいてほしい。それが定食に期待する効用なのだ。

定食屋が定着しない三軒茶屋でやよい軒だけが現存し続けているのは、こうした顧客の欲求を見抜く力に長けているからなのかもしれない。

やよい軒 公式ホームページ: https://www.yayoiken.com/

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